何を思い立ったか、オーバーミシンを使わずにジーンズ作り
ジーンズ1本縫うためには多くのミシンが必要です。
1種類のミシンでも作れないことはないですが、パーツごとに違うミシンを使うことによって作業の効率化とジーンズの風合いや色落ちに影響します。
オーバーミシンというのは正式にはオーバーロックミシン、
生地の端をほつれさせないようにかがってくれるミシンです。
非常に便利なミシンで、これがあれば生地の端を折ったりして隠さなくてもよくなり、
生地の厚みも解消されます。
もちろんジーンズにも多くの場所でオーバーミシンを使っているわけですが、
どうも洗いをかけた時に生地が暴れる感じが美しくないなと思い、オーバー無しのジーンズ作りに挑戦してみました。
ジーンズでオーバーミシンが使われている場所
ジーンズではオーバーが使われる個所は
- ・脇の部分
- ・大股部分(内またの部分)
- ・小股部分
- ・テング、ヒヨク(ボタンやファスナーつけるところ)
今回ここを折り伏せ縫いや三つ折り縫いで代用してみることにしました
早速失敗
まずは完成図から。
上手く出来ていると思いきや、実は大股はオーバー(インター)ミシン使ってます。
通常、大股を縫う順番は脇を縫う前に行います。
その時点で折り伏せで縫えば大股は縫えますが、今度は脇を折り伏せで縫うことが難しくなってきます。
これは実際に縫ってみて気付いたのですが、脇を折り伏せで縫うには、ジーンズを筒の状態でミシンを進めないといけないので、途中で引っかかってしまいます。
脇か大股、どちらかを犠牲にせざるを得なくなりました。
たて縫い筒型ミシンという特殊なミシンを使えばできますが、工房になかったのでできませんでした。
反省点
今回縫製は失敗に終わりましたが、実際にできたジーンズを履くと、履き心地も脇が少し突っ張りました。
おそらく重ねて縫っているので生地が伸びにくく、可動域が狭まったためと考えられます。
自分が理想とするジーンズのひとつが、美しいジーンズ。
ごりごりのヴィンテージに寄せた男くさいジーンズも好きだけれど、よりドレッシーなジーンズは作れないかと考えています。
アプローチする場所は生地、パターン、縫製様々ありますが、今回は縫製の実験を行いました。
生地端を見せない処理は見た目は美しいけれど、実用性や効率を考えるともう少し違ったアイデアが必要かもしれません。