ハイビスカス

ハイビスカスの花で染めてみる

ハイビスカスの花に含まれる色素を調べる

沖縄のアカバナなど赤色の花の印象が強いハイビスカスですが、赤色色素のアントシアニンは抽出できると予想できます。

他にも黄色のカロテノイドが可能性として考えられそうです。

理想はハイビスカスに含まれる様々な発色を布の上で再現することです。

色素の抽出方法を考える

まずは花びらをそのまま布に定着させる方法を試してみました。布はシルクです。

花びらを布の上に置き、巻き付けて蒸すだけの簡単な染色方法です。

結果は、黄色と赤の色素のみ抽出されました。

色みもだいぶ薄いです。

ピンク、紫、白、オレンジなどの色素は抽出されませんでした。

ちなみに、別途花びらをお湯に浸して色素を出してみましたが、同じく黄色と赤の色素しか出ませんでした。

水溶性の色素が赤と黄であろうことは分かりますが、他の色素を抽出するためには、クロマトグラフィーのように色素を分離して抽出するしかなさそうです。

草木染の手法で色素抽出実験

草木染めの基本的な手順は

  • 花びらを乾燥させる
  • 花びらを煮だして染料抽出
  • 布を染料に浸し、30分ほど置く
  • 布を軽く洗い、媒染液に浸す
  • 再び染料に浸し、20分ほど置く
  • 水洗い

で行っていきました。使用する布はシルク。綿の場合は濃染処理をしますが、シルクは動物繊維のため行いませんでした。

媒染はアルミ媒染で行うのでミョウバンを使いました。分量などは一般的な草木染の手法にならいます。

今回はアントシアニン系赤色色素を抽出します。

左は花びらそのもののの色素、右はクエン酸を追加した色素

染色条件を以下にまとめます。

・先媒染か、後媒染か、無媒染か

・先媒染後、すぐ染色するか、数日天日干してから染色するか

・媒染剤はアルミ、塩、海水

・染液は水道水(硬度約50~52)か、クエン酸水か

・煮だす温度は100度か60度か

すべての組み合わせを試した結果、色の濃さは

アルミ媒染>>塩=海水

60度>100度

色の定着具合は先媒染が優位。できれば媒染後1日ほど天日するとよい

色の発色は塩媒染が優位

そして先に水道水で染めた後、クエン酸で赤色に変色した方が色が長持ちしました。

重要なのは、水道水で染めた後しっかり乾燥させること(できれば数日置いておく。)

そのあと、クエン酸水につけると色が長持ちしました。

結果

ハイビスカスの花びらから赤色の色素は抽出可能、今後体験教室などでも行えるくらい安全にできることが分かりました。

実はアントシアニン系は色素が定着しづらく、色落ちしやすいという情報があったのですが、2年ほど経った状態でもほんのり桜色程度は色が残っていました。

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