Contents
時と縫う とは
なぜサイトのタイトルが「時と縫う」なのか。
このサイトを作っているとき、ある革職人さんのお話が思い浮かびました。
先生曰く
「職人見習いでもエルメスのバッグは作ることができる。ただ、ひとつ作るのに半年くらいかかる」
その方は実際にエルメスの工場に行ったことがあるみたいですが、そこでは一日一人
最低2つカバンを作っていたようです。
時間をかければ品質の高いものは誰でも作れるけど、商売をする以上、
半年に1つじゃもうけが出ないやろという話です。
技術は、時に変換できる
僕は個人的に、技術が優れていることと、仕事が速いことは近しい関係にあると思っています。
メーカーが定める最低限の品質
職人が満足する品質
買い手が満足する品質
同じ品質でも受け手により上限が異なります。
受け手が満足する品質を満たした前提で、スピードというものはとても重要な要素です。
これは自分が工業製品を作る世界にいたから感じるようになった部分でもあります。
伝統工芸を生業にしている方はまた違った尺度があるかもしれません。
僕は裁断したデニムを一本のジーンズにするのに2時間かかります。
例えば、高卒のミシンを初めて踏む人も、1か月もあれば一本縫えます。
1か月が2時間に凝縮された分、僕は時間を縫ったことになります。
職人は、ものを作るときに、時間も一緒に縫っている。
そんなことを、このサイトを作った時にふと思い出して、
時と縫う
という名前にしました。