日本の伝統工芸や歴史を調べていくと、北海道、アイヌ民族の刺繍に興味を持つようになりました。
ゴールデンカムイという漫画を読んで、ますますアイヌ文化が面白いと思い、
刺繍もかっこいいと感じるようになりました。
アイヌ刺繍の意味
刺繍は、大まかに装飾的な目的と、強度を上げる実用的な目的の2つがあります。
アイヌ刺繍は呪いや祈り、どちらかと言えば装飾的な位置づけのようです。
祈りを込めて一針一針縫いあげる刺繍という技法は、デザイン的にも惹かれるものもあります。
想いを形にしているという点で、人の心を映している鏡のようなものでもあります。
今の時代でも、親が子供のために雑巾縫ったりワッペン付けたり、
それも子に対する想いの形です。
アイヌ刺繍に挑戦
今回参考にした本はこちら
アイヌの刺繍の文様はそれぞれ意味があるようで、基本的に渦巻ととげとげの文様を、組み合わせて作るのが基本とのこと。
ペンも物差しもない時にどうやって正確な幾何学模様を描いていたのか不思議でしたが、指の爪で下絵を描く手法は驚きでした。
現代ではチャコペンやトレーシングペーパーで簡単に文様が再現できます。
当時のアイヌの人達でも、刺繍の上手い下手があったらしく、囲炉裏の灰で書き方や文字の練習をしていたのだとか。
やってみると、思っている以上に難しいです。
特に角をとがらせるのが、なかなか上手くいかず。
2色の糸を使い、1色の糸の周りに一定間隔でもうひとつの糸を巻き付けていくイメージ。
文様をひとつ作るのでいっぱいいっぱい。
本物のアイヌの刺繍を見ると、途方もない時間と手間がかかっているのだと実感しました。
ただ、縫い方を見る限り、刺し子などと違い、布を補強するという役割はなさそうです。
がま口財布程度の大きさで2日くらいかかりました。
このとげが悪魔を追い払うため、重要なんですね。
アイヌの文様は服だけでなく、日常に使う食器や小刀などにも木彫りで施されていた様子。
これはだれだれのという名刺や名札の意味もあったのかもしれません。
自分なりの文様を作ってみて、今度は自分の洋服に刺繍してみようと思います。