ジーンズ

ジーンズの色落ち加工実験

家でできる色落ち加工方法

ジーンズは色落ちや汚れもデザインとして許される稀有なアパレル服ですが、

実際に履きならして色落ちさせる楽しみもありますし、元から色落ちしているジーンズを買う楽しみ方もあります。

今回はジーンズの色落ち加工について、個人的経験に基づき

家庭でできる方法を紹介します。

基本的なジーンズ加工方法

ジーンズを加工する方法として、一般的に行われている工程をまとめてみます。

やすりなどで表面を削る

薬品でデニムの色を抜く、溶かす

レーザーで焼く

水で洗う

石や砂と一緒に洗う

オゾンで色を落とす

家庭では薬品やオゾンを使用することは今回考えず、物理的に生地をこすって色落ちさせることにします。

色落ちに適した道具

ホームセンターで揃う道具で比較的簡単に研磨できる素材は以下になります。

研磨剤サンドパッド
石タイル

大まかな色落ちは研磨パッド、グラデーション作りは石タイルが簡単でした。

画面左は通常の紙やすり。細かい色落ちには向いているが時間がかかる。画面中央が石タイル。グラデーションは作れるがもさっとしている。右側は研磨パッドでの色落ち。素早く落ち、色落ちのメリハリがで出る。

ちなみに、自然な色落ちを再現するためにメーカーはしわの型をジーンズに履かせてこすっていますが、実際に自分が履いて、しわの場所をチャコペンで下書きして研磨する方法がより自然に表現できます。

汗の再現

実際に履いている状態に似せるために、汗を追加します。

まずは人工汗を作ります。

0.5%塩化ナトリウム、0.1%乳酸、0.1%尿素、0.05%酢酸、水99%

の割合で汗を作り、ジーンズにスプレーします。

その後天日干しを行い、再びスプレーすると、生地の堅牢度が落ち、色焼けを再現できます。

水でもかまいませんが、塩化ナトリウムと尿素が、日に当てた時に少し生地を黄変させ、

自然な色落ちが期待できます。

汚れの再現

汚れは様々な色が重なり合うと自然な風合いが表現できます。

行った実験は以下にまとめます

・窒素による染料分解を期待してファンヒーターにさらす

手持ち花火を生地に当てる。少し離さないと燃えます。

・鉛筆の芯をすりこむ

・土に埋める

・ハンドクリームを塗る

コーヒーを塗る

・玉ねぎ染めする

・紅茶染めする

まったく意味のないものもありましたが、自然な汚れが表現できたのは、花火とコーヒーでした。

大事なことは、一つの方法で汚れを出すのではなく、複数の方法を、色を重ねる要領で施していくことです。

ボタンの錆加工

ボタンをさびさせるために酸化膜をはがします。

はんだごてなどに使うフラックスを塗り、少しバーナーで炙ることで容易に錆を表現できます。

酸素系漂白剤に付ける事でも緑青が出てきます。

色落ち例

普通は色落ちさせてから汚れを追加しますが、より自然な風合いを目指すなら、

色落とし→汚れ追加→色落とし→お湯で洗濯→色落とし

と交互に行うほうが深みが出ます。

なぜなら自然に履いている時は、色落ちと汚れは同時進行のはずだからです。

加工前、加工後のジーンズを載せます。

ここまで約2時間。

使われている生地や色みによって変わってきますが、

元々濃いインディゴがさわやかなブルーに変化しました。

ジーンズ加工方法は正解というものがないので色々な方法があると思います。

もし面白い加工方法をご存じでしたらコメントいただけると嬉しいです。

RELATED POST