ジーンズ

心打つジーンズ 1

原点にして最高峰 THE CRACKER

ジーンズが好きになったきっかけは、どんな服にも合わせやすいから。

2000年頃はレプリカジーンズの過渡期に入っていて、

リーバイスのジーンズを真似して様々な国産ブランドが乱立していました。

リーバイスっぽいけどリーバイスじゃないオリジナルを作る、なんだか哲学的で挑戦的な

ジーンズが多く、とても楽しかった時代でもありました。

その中でもTHE CRACKERというブランドは、アメカジど真ん中のブランド。

まずお店に入るのも予約制、初めての来店ではジーンズを売らないといった

こだわりの強いブランドです。

大学生のころ、確か神戸のサンチャゴというお店で初めてこのジーンズを見た時、

あまりのカッコよさに衝撃を受けました。

今、縫製職人として見てみると、ステッチの粗さやデティールのシンプルさなど、

よくあるビンテージを意識した作りで、

品質という面では完璧ではないですが、全体的なバランス、雰囲気といったものは

他の追随を許さないほどすばらしかったです。

当時2万ほどだったでしょうか。なけなしのバイト代を持って買いにいったところ、

サイズが合わず、このジーンズを履くためだけにダイエットを行いました。

ヤギ革のパッチ。

自分がジーンズを作るようになって、同じようなものを作ろうとしましたが、これ以上のものはとうとう作ることができませんでした。

生地、糸、パターン、ステッチ、ミシン、どこを真似しても、この時のジーンズには

かなわないことが分かると同時に、人を惹きつける良い服は、品質以上の何かがあるのだと勉強になった一本でもありました。

当時はジーンズ履いたまま風呂に入ってシュリンクトゥフィットと言ってました。

寝る時も履いていた記憶が懐かしく感じます。

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